資産に関する税務知識

4.不動産に関する税金

(1) 不動産に関係する税金

 不動産(土地・建物など)の取得、保有、売却については、各ケースで税金が課されます。

1) 不動産を取得したとき

 登録免許税(国税)...登記に必要な登記印紙代として課されます。
 不動産取得税(都道府県民税)...土地、建物を取得した際に課される税金です。

2) 不動産を保有しているとき

 固定資産税(市区町村民税)...毎年1月1日現在に所有している土地、建物の保有に課される税金です。

3) 不動産を売却したとき

 A.法人が売却したとき

 所得の区分は行わず法人の所得として、法人税、都道府県民税、市町村民税、事業税、地方法人特別税といった法人の所得に関する税金が課されます。
 収用や、事業用資産の買換えの場合には、課税にあたって特例措置が設けられています。

 B.個人が売却したとき

 譲渡所得という区分で、他の個人所得と分けて、所得税、都道府県民税、市町村民税が課されます。

4) 先行取得土地等の特例

 平成21年度の税制改正により、次の2つの特例が創設されています。いずれも、平成21年1月1日から平成22年12月31日までの間に土地等を取得した場合の優遇措置です。

 A.1,000万円の特別控除

 個人が平成21年・22年に土地等を取得し、5年超保有した後に譲渡をした場合は、譲渡益から1,000万円を控除できるという特例です。

 B.譲渡益の課税の繰り延べ

 一定の個人、及び法人が平成21年・22年に土地等を取得し、その土地等を先行取得資産としてその後10年以内に他の土地等を譲渡した場合、その譲渡益の80%(平成22年は60%)相当額を限度として、圧縮記帳(課税の繰り延べ)をするこが出来るという特例です。
 この特例の適用を受ける場合は、事前に所轄税務署に届出書を提出する必要があります。

(2) 個人の不動産売却益課税(所得税)

 ここでは、個人が土地や建物を売ったときの税金について説明します。

 土地・建物の売却益は、譲渡所得として給与所得などの他の所得と区分して税金を計算しますが、確定申告の手続きは、他の所得と一緒に行います。

1) 課税対象となる譲渡所得金額の計算方法

 ◆取得費・・・買ったときの購入代金(建物は減価償却費相当額を
         控除します)や仲介手数料などの合計額です
          実際の取得費の金額が譲渡価額の5%に満たない
          場合は、譲渡価額の5%相当額を取得費として
          計算することができます。

 ◆譲渡費用・・・売ったときの仲介手数料、測量費、立退料や、
          建物を取り壊して土地を売ったときのその建物の
          取壊し費用などです。

 ◆特別控除額・・・収用等のときは最高5,000万円自宅を売った
          ときは最高3,000万円の控除があります。

2) 税額の計算

 売った土地・建物の所有期間が、売った年の1月1日において5年を超えるかどうかで、税率がかわります。

3) 自宅を売って、売却益が出た場合の特例措置

 A .居住用財産の3,000万円の特別控除

 所有期間に関係なく、居住用財産については、課税譲渡所得の金額を計算する上で最高3,000万円の控除を受けることができます。
 なお、譲渡所得が3,000万円に満たない場合には、特別控除額は、譲渡所得の金額を限度とします。

 B.所有期間10年超の居住用財産の軽減税率

 売った年の1月1日現在で、その自宅の所有期間が10年を超えている場合は、次の低い税率で税額を計算できます。3,000万円の特別控除と併用して受けられるので、特別控除を差し引いたあとの課税長期譲渡所得金額に次の税率を適用します。

 C.買換え(交換)の特例

 自宅を買換え(交換)た場合は、売った年の1月1日現在で所有期間10年を超え、かつ、居住期間が10年以上など、一定の要件に該当する場合は、その譲渡益の課税を繰り延べる特例が受けられます。
 ただし、居住用財産の3,000万円の特別控除や軽減税率の特例とは選択適用となっていますので、併用して受けることはできません。

4) 自宅を売って売却損が出た場合の特例

 売った年の1月1日現在で、所有期間が5年を超える自宅の売却損が出た場合には、その売却損の金額をその年の他の所得と損益通算することができます。

 その年で損益通算しきれなかった売却損の金額がある場合には、その年の翌年以後3年内の各年分(合計所得金額が3,000万円超える年分を除きます。)の所得から繰越控除することができます。

 A.新たに自宅を買換える場合

 自宅を買換えて、年末においてその買換えた後の新しい自宅の取得に係る住宅ローン残高がある場合は、一定の要件の下で、売った自宅の売却損について損益通算及び繰越控除をすることができます。

 B.新たに自宅を買換えない場合

 自宅の売買契約締結日の前日において、住宅ローン残高がある自宅を売った場合は、一定の要件の下で、その自宅の売却損(住宅ローン残高から自宅の売却価額を控除した残高が限度)について損益通算及び繰越控除をすることができます。

 上記A.Bの適用要件を整理すると次のようになります。


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