起業家の皆さまへ
4.起業家が知っておきたい税知識
(1) 事業の儲けにかかる税金
◆個人事業主の場合
個人の所得は10種類に分かれますが、事業から生ずる所得は「事業所得」として、他の所得と合算して、累進課税税率により所得税が課税されます。なお、都道府県民税、市町村民税として住民税が課されます。また、原則的にはサラリーマン時代には関係のなかった「事業税」が課されます。
所得税は国税、事業税は都道府県民税です。
◆法人の場合
会社の儲けに関しては法人税が課されます。個人のように所得を10種類に分ける必要はなく、すべて合算して課税対象となる所得を算出します。国税である法人税のほかに、事業税・地方法人特別税、そして、都道府県民税・市町村民税として住民税が法人にも課されます。これらについては、原則として、決算期日の翌日から2ヶ月以内に確定申告をし、税額を納付することとされております。
(2) 損金不算入の交際費・役員給与
法人の場合、課税の対象となる所得を計算するにあたって、「法人税法上は費用とならない経費」が発生します。代表的な例が、交際費です。中小法人の場合は、年間600万円まで(※)は、支出した交際費の10%が法人税の計算上、費用として認められず、課税対象となります。年間600万円を超える金額は、超える部分の全額が課税対象となります。
なお税制改正により、平成22年4月1日以後に開始する事業年度から、資本金または出資金の額が5億円以上の法人の100%子会社に該当する場合は、資本金または出資金の額が1億円以下であっても、支出交際費の額が課税対象となります。
※平成21年3月31日以前に終了する事業年度については、年間400万円まで。
定期同額、事前確定届出といった要件に該当しない役員給与も法人税の計算上、費用として認められません。したがって、役員に対する給与は、通常、毎月定額とし、月毎に多くなったり少なくなったりの変動がないようにします。
(3) 少額減価償却資産
パソコン、車両、その他の設備といった減価償却資産を取得したとき、支出した金額の全部が当年の経費にならない場合があります。これらの資産は、数年間使用できるので、数年間に分けて経費化しようという考え方があるのです(減価償却)。
ただし、10万円未満の減価償却資産ならば、支出した金額が全額、当年の経費となります。反対に、10万円以上の減価償却資産を全額取得年度の経費にすると、税務上、問題が生じるのです。
なお、青色申告者及び中小企業者である青色申告法人が平成24年3月31日までに取得し、事業の用に供した資産については、一定の要件のもとに、30万円未満のものでしたら全額経費とすることができる特例措置が設けられています。
(4) 消費税等の申告納付
法人や個人事業主等の事業者は、売上等の際に「預かった消費税」から資産購入や経費支出等で「支払った消費税」を差し引いた残額を国に納付する義務を負います。決算期日の翌日から2ヶ月以内に確定申告をし、消費税及び地方消費税額を納付することとされております。
(5) 印紙税と源泉所得税
領収書、契約書等一定の文書には、印紙(印紙税)を貼付する必要があります。
給与や個人事業主にデザイン料や原稿料、講演料等を支払う場合には、支払者は源泉所得税分を差引いて給与や報酬を支払い、指し引いた源泉所得税は、支払日の属する月の翌月10日までに国に納付します。個人に対する報酬の支払いに際して、源泉所得税を差引く必要があるかどうか確認することが必要です。
