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6.最低限の帳簿作成方法
青色申告者及び青色申告法人には、「法定の帳簿書類を備え付けて、取引を記録し、かつ保存する」ことが求められています。
その代わりに、帳簿書類の調査に基づく更正や、欠損金の繰越、特別償却制度などの税務上の特典が認められています。
【帳簿書類要件のポイント】
◆貸借対照表、損益計算書を作成できるように、複式簿記の原則に従って記録する。
◆仕訳帳、総勘定元帳その他の必要な帳簿を備え、取引に関する一定事項を記載する。
◆帳簿書類を7年間保存する。
(注1)個人事業主である青色申告者の場合は、一定の書類については5年間の保存とされています。
また、現金出納帳や経費明細書といった簡易な帳簿によることも認められていますが、この場合は、青色申告特別控除は最高額の65万円を受けることはできません。
(注2)取引に関する一定の事項とは、取引の年月日、内容、相手先などの事項です。
法人税法施行規則などで、かなり細かく決められています。
(1)最低限の帳簿書類の構成
帳簿書類には様々な要件があり、勘定科目、取引年月日、取引先名、内容等を記載した仕訳帳と、総勘定元帳を作成し、その取引の証拠となる書類を整理保存することが求められています。
仕訳帳と総勘定元帳は、手書きで作成できなくはないですが、法定要件を備えたものを作成する手間を考えれば、財務会計ソフトを活用することが現実的です。
【財務会計ソフトを活用するケース】
会社の規模や取引の内容によって備え付けるべき帳簿書類は異なりますが、基本型は次の通りです。
最初は、領収書や請求書などの書類から、現金出納帳(すいとうちょう)、預金出納帳、振替伝票を作成して財務会計ソフトに入力することをお勧めしますが、慣れてくれば、領収書や請求書などの書類から直接入力する方法もとることができます。
(2)書類のファイル方法
書類のファイル方法には、会社の取引の内容によって様々な方法がありますが、仕入等があまりないサービス業を想定して、基本的な例をご紹介します。
1) ファイルを準備します。
クリアファイルなどではなく、穴を開けて綴じるタイプの方が望ましいです。
2) 各ファイルに、おおよそ、次のような区分で書類を綴じます。
◆現金支払の領収書等
◆交通費の精算書
◆社員の立替経費の精算書
◆預金支払の請求書等
◆売上請求書(控)
◆売上領収書(控)(市販の領収書で控が残るタイプのものも便利)
◆給与明細書
3) 書類は、支払った(精算した)順に綴じて(領収書等は貼って)いきます。
支払月ごとに、仕切紙を入れるかインデックスを貼ると、確認しやすいです。
あとで仕訳等を見直すときは、現金や預金といった実物の残高を確認できる資産科目(貸借対照表の科目)で見直す方法が効率的で確実です。
よく、通信費や交通費といった経費の科目ごとに書類整理をされる方がいますが、あとから確認するには、「現金や預金といった支払手段ごと」に、「支払った順で」領収書や請求書等の書類を整理しておく方が、照合しやすいです。
(3)簡単に済ませるコツ
1) 取引は、現金による入出金を避けて、なるべく、預金を通して行うようにします。
現金取引の場合は、自分で記録を残さなければなりませんが、預金通帳を通すと、そこに記録が残るためです。
※会社の通帳から現金を引き出して、使ったり、保管する場合には、現金出納帳を作成します。会社の現金があれば、出納帳上の現金残高と手持ちの現金の残高とが一致するかを確認する作業が必要ですので、現金管理に自信のない方には、自分で経費を立替えておいて、その立替経費を「事後精算」する方法などを用いて、現金をもたない方法をお勧めします。
【現金出納帳の記載例】
1) 預金通帳には、必ず、入出金の内容をメモ書きで残しておくようにします。
その場で入出金の内容を書いておかないと、あとで内容を思い出すのが大変です。
2) 現金管理に自信のない方は、現金ゼロ、経費を後払いで精算する方法も一案です。
月末や20日などといった締め日を決めて、自分が立て替えた経費について立替経費精算書を作成し、後日、その金額を預金通帳からピッタリに引き出して精算します。
【立替経費精算書の例】
3) 支払請求書、売上請求書(控)には、出金・入金の日付を書いておきます。
支払っているのかどうか、入金されているのかどうかが、わからないのが一番困ります。
「支払済」や「領収済」といったスタンプを利用して、一目でわかるようにしておきましょう。
