会社経営者の皆さまへ

3.非公開会社の株主総会の議事録

(1)議事録は、会社経営の証

 身内だけでつくった会社が議事録を作成するときは、登記で必要な場合が多いでしょうが、今後は、税務的にもその意味の重要性が増してくるでしょう。
  税務調査でも会社経営に関する事項について、会社法の規定どおりに実施されたか否かを確認するために、取締役会議事録や株主総会議事録の確認を求められることがあります。
  会社法の施行により、中小法人の実態に合った会社の機関設計が可能になりました。その分、あらためて、株主総会や取締役会、取締役といった会社の機関の本来あるべき姿が問われています。

(2)株主総会の議事録の記載事項

 株主総会の議事録の記載事項は、会社法施行規則72条に掲げられており、具体的には、次のとおりです。

  1)株主総会の開催日時開催場所
  2)議事の経過の要領及びその結果
  3)監査役の選任・解任等に関する意見や発言があるときは、その概要
  4)出席した取締役、執行役、会計参与、監査役、会計監査人の氏名
  又は名称
  5)議長の氏名
  6)議事録の作成を行った取締役の氏名
  7)株主全員の同意で株主総会への決議や報告が省略される場合の一定事項

(3)株主総会議事録の記載例

 株主総会議事録の一般的な記載例をご紹介します。

 ※出席取締役の株主総会議事録への署名または記名・押印は、会社法では求められていませんが、定款で出席取締役の議事録への署名または記名・押印を求めている場合には記載します。

(4)  各議案の記載方法

 1)計算書類の承認

 定時株主総会の重要な目的は、事業報告を行って、貸借対照表などの計算書類について、株主の承認を得ることです。計算書類とは、貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書、個別注記表をいいます(会社法435条2項、会社計算規則91条1項)。

【議事録記載例】 計算書類の承認 (監査役設置会社の場合)

 2)剰余金の処分 配当と積立金の積立て

 会社法の施行前は、配当や別途積立金等の積立てについては、利益処分案の承認を通して決議していましたが、会社法下では、剰余金の処分について、計算書類の承認とは別に一つ一つ議案を設け、決議をとる必要があります。
 剰余金の配当について、その都度、株主総会で決議すべき事項は次のとおりです(会社法454条1項)。
  ◆配当財産の種類(当該株式会社の株式等を除く。)及び帳簿価額の総額
  ◆株主に対する配当財産の割当てに関する事項
  ◆当該剰余金の配当がその効力を生ずる日

 この場合の、効力を生ずる日とは、一般的には株主総会の翌営業日になります。このほか、税務申告書の作成との関係で、わかりやすくするために、上記以外に配当金の原資や配当の基準日などを決議することもあります。

 配当以外の剰余金の処分に関し、株主総会で決議すべき事項は、次のとおりです(会社法452条、会社計算規則181条1項)。

  ◆増加する剰余金の項目
  ◆減少する剰余金の項目
  ◆処分する各剰余金の項目に係る

 また、配当にともなって、その配当の原資によって、資本準備金や利益準備金を積立てる必要がありますが、積立額の計算方法は会社法で決められており、それにより、計算すれば、積立額は確定しますので、あらためて、株主総会で決議をとる必要はありません

 会社法では、「株主総会の決議を経ないで剰余金額の増減をすべき場合」として、「法令等により剰余金額の増減をすべき場合」が掲げられています。 (会社法445条4項、会社計算規則45条、同規則181条2項)。配当に伴う準備金の積立ては、剰余金の処分に関する事項ですが、この規定により、株主総会の決議は不要になります。

【議事録記載例】 金銭配当、積立金の積立て

 3)剰余金の取崩し

 別途積立金などの目的が決まっていない積立金を取り崩す場合等は、2)の剰余金の処分と同様、増減する剰余金の項目などを記載します。

【議事録記載例】積立金の取り崩し

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