消費税の引上げに伴う経過措置の取扱いQ&A

消費税の引上げに伴う経過措置の取扱いQ&A

国税庁消費税室より、平成30年10月に「消費税引上げに伴う資産の譲渡等の適用税率に関するQ&A」が公表されました。
実務的な細かいものですが、主な事項について、その要旨をまとめました。

 

問1 A社は検収基準で仕入計上、仕入先のB社は出荷基準で売上計上している場合で、9月30日までに出荷されたもの

A社、B社ともに8%適用(B社がA社に対して行った施行日前の課税資産の譲渡等なので)

 

問2 月ごとの保守サービス料(20日締)の請求(月ごと役務提供が完了)

令和1年9月21日から令和1年10月20日までの保守サービス料は、令和1年10月20日が役務提供完了日となり、10%適用

 

問3 前受金として処理した一括収受した、契約期間1年間の保守サービス料を毎月収益に振替計上

令和1年10月1日以降分は10%適用

 

問4 所有権移転外ファイナンス・リース取引のリース料を支払いのつど、費用計上し課税仕入れしている

令和1年9月30日までに引渡しを受けたリース資産に係るリース料は、経理方法にかかわらず8%適用

 

問5 部分完成基準が適用される建設工事(経過措置の適用なし、工事進行基準の規定を受けるものを除く)

部分引渡しが行われた日で判定
令和1年9月30日までの部分引渡しは8%適用、令和1年10月1日以後の部分引渡しは10%適用

 

問6 不動産の賃借料(経過措置の適用なし)

令和1年10月分を9月に受領した場合は、10%適用
令和1年9月分を10月に受領した場合は、8%適用
(賃貸借契約書の支払期日では判断しない)

 

問7 未成工事支出金、建設仮勘定で経理した金額を、建設工事等に係る目的物の完成時に仮払消費税を計上している場合

建設工事等が令和1年10月1日以降に完成するので、10月1日以降に材料費や下請け外注費等の課税仕入れを計上するときの適用税率をどうするかについては、その材料の引渡しや下請け外注工事の完了時点が、令和1年9月30日までのときは8%適用となる。

 
問8 3月決算法人が平成31年4月から令和2年3月までの保守料金を平成31年3月に支払い、短期前払費用として一括費用処理した場合

4月~9月分は8%適用、10月~3月分は10%適用となるが、3月決算の申告時には次のいずれかの方法により、処理する。

(1)平成31年4月~9月分の仮払消費税のみ処理し、10月~3月分については仮払金として、翌期に繰り越す。
(2)1年分の保守料を8%適用で計算し、翌期に10月~3月分について対価の返還(8%適用)を受けたものとして処理したうえで、改めて10%適用で処理し直す。

 

問9 9月決算法人で出来高検収書に基づき支払った10月以降完成の工事代金(経過措置の適用なし)

出来高検収書に基づき、仮払消費税を計上していても、下請業者から工事の引渡しを受けるのは令和1年10月1日以降なので、工事代金は10%適用となる。
9月決算の申告時には、9月30日までの出来高払い分については、8%適用で計算し、翌期にこの部分の対価の返還を受けたものとして、改めて10%適用で計算する。