贈与により財産をもらった場合は、贈与税が課税されます。財産をもらった人が、毎年1月から12月にもらった財産について、翌年3月15日までに贈与税の申告・納付することとされています。
贈与税は、財産をあげる人に課されるのでなく、もらった人に課される税金です。
贈与税には「暦年単位課税制度」と、「相続時精算課税制度」の2通りの課税制度があります。

(1)暦年単位課税制度

暦年単位課税制度とは、1年間に贈与を受けた財産の合計額をもとに贈与税額を計算するものです。その年の1月から12月までにもらった財産が「贈与税の基礎控除額」を超える場合は、翌年3月15日までに、贈与税の申告、納付が必要となります。

贈与税の基礎控除額は年110万円で、もらった人単位で計算します。たとえば、Aさんが3人からそれぞれ100万円をもらった場合は、Aさんの贈与税の基礎控除額は、110万円×3人分になるのではなく、110万円となります(税額は19万円)。

税制改正により、平成27年1月1日以後の贈与からは次の税率表になります。また、祖父母、父母といった直系尊属から20歳以上の子、孫への贈与について、軽減税率が設けられました。

【贈与税の速算表】平成27年1月1日以後の贈与から適用

基礎控除後の課税価格 税率 控除額
~200万円以下 10%
200万円超~300万円以下 15% 10万円
300万円超~400万円以下 20% 25万円
400万円超~600万円以下 30% 65万円
600万円超~1,000万円以下 40% 125万円
1,000万円超~1,500万円以下 45% 175万円
1,500万円超~3,000万円以下 50% 250万円
3,000万円超~ 55% 400万円

※贈与額500万円の場合の計算・・・(500万円-110万円)×20%-25万円=53万円

【直系尊属から20歳以上の子、孫への贈与の場合の軽減税率の速算表】

基礎控除後の課税価格 税率 控除額
~200万円以下 10%
200万円超~400万円以下 15% 10万円
400万円超~600万円以下 20% 30万円
600万円超~1,000万円以下 30% 90万円
1,000万円超~1,500万円以下 40% 190万円
1,500万円超~3,000万円以下 45% 265万円
3,000万円超~4,500万円以下 50% 415万円
4,500万円超~ 55% 640万円

(2)相続時精算課税制度

相続時精算課税制度は、親子間の贈与に適用できる制度で、基礎控除額が2,500万円と大きな非課税枠が設けられています。贈与財産額が基礎控除額を超える場合は、超える部分の金額は、税率一律20%で課税されます。

相続時精算課税制度は、財産をあげた人の相続が発生した場合、この制度により贈与した財産を、その相続税の計算上、相続財産に加算することとなっています。つまり、贈与といっても、相続税の計算上は、この制度により贈与した財産も、相続財産に含めて再計算(相続時に精算)します。そのときの財産の価額は、贈与した時の価額となります。

基礎控除額は暦年単位課税制度と異なり、あげた人ともらった人の組み合わせごとに2,500万円ですので、父母からの贈与で、それぞれ、この贈与制度を選択すれば、基礎控除額は、父からの贈与で2,500万円、母からの贈与で2,500万円となります。
なお、前年以前にこの特別控除を受けた場合は、当年の基礎控除額は、2,500万円から前年以前に適用した基礎控除額を差引いた残額となります。

 

【対象者等】
贈与者(財産をあげる者)・・・65歳以上である親
受贈者(財産をもらう者)・・・20歳以上の子(贈与者の推定相続人)
※平成27年1月1日以後の相続から、対象者が広がりました。贈与者は60歳以上の者となり、受贈者には20歳以上の孫が追加されます。

 

【手続き】
前述(2)の暦年単位課税制度と異なり、相続時精算課税制度の適用を受ける場合には、「相続時精算課税選択書」の提出が必要です。基礎控除額の範囲内で税額が出ないときでも、必ず、翌年3月15日までに贈与税の申告書の提出が必要になります。
※相続時精算課税制度の適用にあたっては、さまざまな留意点がありますので、必ず、専門家にご相談ください。